十数年まえ佐賀県と福岡県の県境にある背振山脈地下に、リニアー加速器(ILC)の計画が起こっているというニュースをきいたことがあった。当時は夢のような計画で、なぜ背振なのかはよく知らなかった。
ヒッグス粒子が発見され、次の段階に必要なILCが昨日のプライムニュース2時間版で取り上げられ、その計画の詳細と理由や将来の問題点などがやっとわかった。
ILCに必要な強固な30Km以上の岩盤があるのは、背振山脈と岩手山脈の2ヶ所しかないそうで、それが背振が候補の一つにあがった理由であった。
当時理由を知らない人たちが宗像でも誘致したらなどといっているといううわさを聞いたこともあった。
いずれにしてもわが命のある時代の話ではない。ただし背振山脈ならば福岡県にも関係のある話である。
江戸時代の初期、背振山頂の神社の所有権を福岡藩と佐賀藩で争ったことがある。幕府が仲裁にはいって出した結論は佐賀藩の勝利であった。その理由は両藩が幕府に提出していた藩の地図で、佐賀藩のものには神社が記載されていたが、福岡藩のものには記載がなかったからであった。今は航空用レーダ基地が神社の近くに設けられている。
地方主権の時代のできごとであるが、ILCは大変な費用のかかる問題で、国際的な長期計画だ。
(その後の裁定で、ILCは東北の方に決定された。)