わたしが学徒動員で働いたのは佐世保市郊外の山のなかで弾薬庫をつくる作業であった。
セメントを山の下からトロッコで山の中腹まで、押し上げる単純作業の毎日。
旧制高校の夏休みの2週間だったが、市内のお寺の本堂に雑魚寝して、ホロをかぶせたトラックで、山の中まで往復したから、いまだに何処の山か解からないままだ。
ただ山腹からみえた九十九島のすばらしい風景だけは頭にやきついている。
その記憶から推測すると、赤崎岳あたりの山の中らしい。
いまは叢にうずもれた姿が予想されるが、いちど見にいきたいものだ。
弾薬庫の跡の例 |
九十九島の風景 |