2017年11月7日火曜日

仏教の五蘊と脳の構造・機能

釈迦のいう五蘊(五温)とは、想・行・識・色・受である。
脳科学者の浅野孝雄先生は、この五蘊を現在の脳機能分析の内容から次のように説明されている。
「想」は左前頭葉で意識の統覚形成、

「行」は頭頂葉で行動意欲の形成、
「識」は右前頭葉で知識の記憶保存、
「色」は後頭葉で外部情報の感覚機能域、
「受」は脳幹・海馬部で情報の循環サイクルを統制する。
仏教の教えと先端科学の解析がなんとなく整合性があるのは面白い。
脳の構造とその機能の部位については、まだ諸説あるようだが、おおまかに5の構造に分けられており、お釈迦さまはそれを自らの修行で会得されていたということだ。
五蘊の働きは、小さな炎のように燃えているいる状態と表現され、現代科学でもその部位の色が変わることで、解明されている。
ウォルター・フリーマンの複雑系理論によると、これはカオス状態のものが、刺激により竜巻をおこすように、形を創発するためである。無意識状態から、0.1秒くらいで意識が生じる。
刺激は五感からの情報が主役であるが、最近の研究では、筋肉や脂肪からのメッセージ物質による視床下部や海馬への刺激もあるようだ。

小さな炎が燃えているいる状態を、座禅によって海馬を治め、脱自己状態に整えると、体と心がニュートラルになる。この大域的アトラクターがハーモナイズされたときに、幸福感に到達するそうだ。

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