大阪市北区の佐賀藩蔵屋敷跡から、江戸時代最高峰とされる同藩特製の磁器「鍋島」が約350点出土したことが、22日までの大阪市博物館協会大阪文化財研究所の調査で分かった。
蔵屋敷は、領内の年貢米などを保管する倉庫と、参勤交代などの際に藩主が滞在する屋敷も備えた施設。出土品の一部は表面に細かな傷があり、スッポンの骨なども見つかったことから、同研究所の市川創・学芸員は「鍋島のセットを使って藩主が宴会をしたのかもしれない」と想像している。
同研究所によると、鍋島は佐賀藩主の鍋島家が将軍などへの献上を目的に、採算度外視で作っていた磁器。一般にはほとんど流通せず、遺跡から多量に出土するのは非常に珍しい。
見つかったのは、直径約10~30センチほどの皿や猪口(ちょこ)など。「尺皿」と呼ばれる大皿には桜と流水が描かれ、竜の姿がひげまで精緻に描かれた小皿や、朝顔を色絵で描いた皿もあった。
建物の廃材などと一緒に見つかっており、1724年に起きた大火災で焼けた後、廃棄されたとみられる。出土品は大阪歴史博物館で10月3日まで展示中。〔共同〕
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