現在56歳の野地博行東大教授。サイエンスは自己表現であるとの信念の持ち主。
小学生の時に読んだ漫画のなかに、海の中のコアセルベートで生命が生まれたというソ連の科学者の話に興味をもったという。
それは、ソ連のアレキサンドル・オパーリンのコアセルべート仮説であった。
具体的には、深い海底で熱水が噴き出ているような環境で、生命体が生まれやすいという説が広まっている。
東大で研究生活をはじめた野地青年は、当時生物のエネルギは細胞が回転することが基本にあるという仮説に興味をもち、実験によりATP合成酵素の回転の状況を撮影することに成功した。
しかしノーベル賞審査グループは、すでに仮説をたてた米・英の学者にノーベル賞授与を決定していたため、野地は受賞者にはなれなかった。
受賞者からは賞金の一部が、野地グループに贈られたという。
その後野地は、念願の人工細胞の研究分野にすすんだ。
人工細胞の細胞質になるポリマーBと、DNAなどの物質を入れた培養液のポリマーAを混合して、培養した。
合成の設計図は、DNA→RNA→Protein の流れ。
330分後 |
720分後 |
この大きさまで成長したのは、世界で初めてである。
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