2025年5月21日水曜日

AI開発の歴史(3)AIの名称からノーベル賞まで

 ダートマス大学のジョン・マッカーシー、ハーバード大学のマービン・ミンスキー、IBMのナサニエル・ロチェスター、ベル電話研究所のクロード・シャノン達が提出したワークショップ提案書”A Proposal for the Dartmouth Summer Research Project on Artificial Intelligence”(人工知能に関するダートマス夏季研究プロジェクト提案書)の中で、「人工知能」(artificial intelligence)という用語が初めて作られました


AI(artificial intelligence)と名付けたグループ


デミス・ハサビスは、アミノ酸の配列からタンパク質の複雑な立体構造を調べるAIの開発に成功し、2024年にノーベル化学賞を受賞した。

        AIによりアミノ酸からタンパク質合成の研究が解明された。
        さらにAIにより、色々の新薬の開発に成功した。




2024年にAI利用による最初のノーベル化学賞の受賞者となった。




AIは意識を持っていると主張したグーグルのエンジニアが、解雇される事件がおきた。

彼が示した人工知能「LaMDA]との会話は、AIが魂を持っているような会話であった。


2025年5月20日火曜日

AI開発の歴史(2)コンピュータの発達と人間との勝負

トランジスターの開発

 
関連機器の小型化




トランジスタが、IC,LSIとなり、さらに積層化されたチップとなり、コンピューターは小型化し、スマホまでなって普及している。



コンピュータゲームの歴史は古い。
1941にはZUSEが存在していた。




現在社会では、AIと人間のどちらが強いのかが、逐次進行してきた。

チェス、将棋、囲碁の分野で、歴史をしらべてみます。  

 ルールがシンプルで打ち手のパターンが少ないオセロは比較的早期に進化してきました。

1997年にIBMが開発した 「Deep Blue」というコンピュータが、当時のチェス世界チャンピオンであるカスパロフ氏に勝利したことは、世界中に衝撃をもって伝えられました。




2017年には、Ponanzaが第2期電王戦にて佐藤天彦叡王に勝利し、AI将棋が名人に初勝利を果たしました


AlphaGoアルファ碁、アルファご)は、Google DeepMindによって開発されたコンピュータ囲碁プログラムである.

2015年10月に、ヨーロッパ王者ファン・フイ相手に互先(ハンディキャップなし)で破った初のコンピュータ囲碁プログラムとなった.

デミス・ハサビスが開発した「アルファ碁」は、2016年に

韓国のイ・セドル九段に勝利した。


敗者はAIの囲碁が創造的であると評価した。

米国のWATSONというAIは、全米最高のクイズ大会で優勝した。

AI開発の歴史(1)  初期コンピュータ開発の3人(チューリング・ノイマン・ホレリス)


「チューリング」は、イギリスの数学者。第2次大戦中、ドイツ軍の暗号解読部隊に若いころ参加した。

とても面白そうだからという理由でさんかしたが、難解であった。機械式計算機を考案し、半年かけてやっと解読できた。これでドイツ軍の潜水艦の移動状況を把握できるようになり、戦局が好転した。
もし解けなかったら、イギリスは敗北していたかもしれない。


     「エニグマ」が、チューリングが作った暗号解読機である。


これによりドイツの暗号が解読され、ドイツのUボートを次々に沈めることが出来た。


しかし彼は同性愛者だったため、逮捕され補導されたため、精神的打撃をうけ、青酸カリをのんで、自殺した。

当時一緒に暗号解読作業をしていた数学者グッドは、彼の才能を評価していて、死亡前に彼が発表していた論文を高く評価している。

その論文は、コンピューターが、単なる計算機でなく、人間の知能になることを予想した世界で最初の論文であった。




「ノイマン」はハンガリーの数学者。アメリカに亡命して、原爆開発のマンハッタン計画に参加していた。


爆発しにくいプルトニューム239を爆破するための方式を考案し、圧力計算をして爆発実験を成功させた。これが長崎に投下されて、7万人の死者がでた。

その頃、米国で真空管方式の電子計算機ENIACが開発され、弾道計算に使用された。

陸軍の予算で、ペンシルバニア大学が10進法で開発した。






ENIACを開発したジョン・モークリージョン・プレスパー・エッカートはENIACがまともに動作するようになる前の1944年8月、ノイマンの意見をきいて、EDVACの設計と構築を提案した。
その設計はENIAC構築中に考案された多くの重要なアーキテクチャ上または論理上の改良を取り入れるもので、2進法に変更し、高速な遅延記憶装置を採用することにしていた
ENIACと同様、EDVACはペンシルベニア大学米陸軍アバディーン実験場にある弾道研究所のために製作した。エッカートとモークリーを含むENIAC設計者らはコンサルタントという立場のジョン・フォン・ノイマンと合流して設計を開始した。
1945年、フォン・ノイマンは論理設計について話し合った結果を 『EDVACに関する報告書の第一草稿』という報告書にまとめた




IASマシンとは、アメリカ合衆国ニュージャージー州のプリンストン高等研究所(IAS)が開発した初期の電子式コンピュータである。IASマシンは1945年末ごろから開発が開始され、1951年稼動している 。いわゆるノイマン型の最初期のコンピュータの一つである。

フォンノイマン型アーキテクチャーの図



ノイマンは1956年に、アイゼンハワーから大統領自由勲章を受章した。


「ハーマン ホレリス」


ホレリスは大学卒業後に国勢調査局のジョン・ショウ・ビリングス統計部長に誘われて助手として働いた。そして、この大変な作業を目にしたのである。また、このままでは1890年の国勢調査は10年以内に集計が終わらないことが確実だった。

ホレリスは1882年にMIT機械工学科で過ごした。その間にパンチカードにデータを格納するシステムを試作している。これは、鉄道の車掌が乗車券の様々な場所に穴を開けることで持ち主の状態を表すことからヒントを得たものであった。

ジョン・ショウ・ビリングスに示唆を受けて、ホレリスはパンチカード上の各位置に穴があるかどうかを電気的に検知して集計する仕組みを開発した(バネ付きの針の並んだ板と水銀の入ったトレーの間にパンチカードを挟んで針が水銀につくと導通して穴があることがわかる)。

ビリングスが示唆した鍵となるアイデアは、個々のデータを全て数値に置き換えることであった。ホレリスはパンチカードの所定の位置に数値を記録すれば、それを元にカードを機械的にソートし、所定の桁位置のデータを集計できると気づいた。

1888年、国勢調査局は統計作業を効率化するための発明コンテストを行い、ホレリスのシステムが選ばれた。これにより、1890年の国勢調査でホレリスのタビュレーティングマシンが大々的に使われることになった。

このシステムについて解説した論文 An Electric Tabulating System (1889) はホレリスが博士論文としてコロンビア大学に提出し、後に本にも収録されている。

彼は1889年1月8日の特許395,782号で自身のアイデアを以下のような請求項で記述している。

非導電性の素材でできたシートに穴を開け、個々の穴や穴の組み合わせで個々の統計項目を記録し、規格化された充分な強度を持った穴あきのシートで制御される電磁石回路によって操作された機械式カウンターによって統計項目を個別または組み合わせて数えることで構成される、統計を編集するここに説明された方法。

次の世紀のコンピュータ時代のこととなるが、初期のFORTRANにおいて、文字列リテラルは 11HHELLO WORLD のように先頭に「文字数n + 'H'」を付けて表した。この H はホレリスに由来するものとされ、このリテラルによる定数はホレリス定数と呼ばれた。






パンチカード


2025年5月14日水曜日

ルビコン川を渡るオートファジー

 



ルビコン川の位置


カエサル軍、ルビコン川を渡る



カエサル

ルビコンの名前がオートファジー研究の一部にも使用されています。

オートファジーとは、ギリシャ語の「ファジー(食べる)」に「オート(自ら)」を組み合わせた造語だ。細胞内に存在するたんぱく質などから余計なものを取り除いて生まれ変わらせる仕組みで、メカニズムは意外とシンプル。

人間の細胞内に膜が出現して、細胞内にあるたんぱく質などを包み込んで球状の構造「オートファゴソーム」を作る。このオートファゴソームに、たくさんの分解酵素が入った「リソソーム」という袋が接触・融合することで、中身のたんぱく質などが分解される。これにより、オートファゴソーム内の有害物質が除去されるとともに、たんぱく質がアミノ酸まで一度分解され、体内で新しいたんぱく質として再合成される。

 オートファジーは日常的に起こっており、人間は体内の細胞の中身を少しづつ入れ替えている。体重60キログラムの成人男性の場合、1日に約240グラムのたんぱく質が体内からオートファジーによって再合成されるという。

細胞内のたんぱく質や有害物質を膜が包み込み、分解酵素が分解する。しかし、ルビコン(図中の赤い「×」)が分解酵素との融合を妨害すると、オートファジーが起こらなくなり、老化につながる


オートファジーによって老化を止める研究は加速している。19年に、「ルビコン」と名付けたオートファジーのブレーキ役となるたんぱく質が、加齢とともに増加することを吉森氏が発見。

オートファジーを促進するたんぱく質は以前から幾くつも発見されていたが、ブレーキは珍しい。

「ルビコンをコントロールすることで、老化を止められる可能性も出てきた」

ルビコンの抑制によって寿命を延ばす効果は、動物実験では確かめられている。

遺伝子操作によりルビコンの働きを抑えた線虫を観察したところ、オートファジーの活性化が認められ、寿命が平均20%も延びたという。老いても活発に動き続けていたため、健康寿命も延びたと考えられる。 

「実験では、年老いた線虫が通常の線虫に比べて2倍の運動量を示した。人間に置き換えれば、80歳の老人がフルマラソンを容易に走りきるようなものだ」


(吉森教授の解説要旨)

2025年5月12日月曜日

細胞の構造

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【老化を遅らせる可能性の新研究】
                                                       細胞の構成図