高橋源一郎の講演で、『ソフィーの選択』(ソフィーのせんたく、Sophie's Choice)は、ウィリアム・スタイロンの小説(1979年)の話をきいた。
倫理的には選択不能の問題である。
あらすじ:
ソフィーはナチスに逮捕され、子供2人と共にアウシュビッツに送られた。 子供2人のうちどちらか一人を焼却炉送りに選べと命令され、仕方なく娘を選んだので、息子ヤンは児童収容所へ、娘のエバは2号焼却炉へ送られ抹殺された。
子供たちとのアウシュビッツでの悲痛な永遠の別れを背負って、
収容所から解放された1年半後のある日、まだ「カカシ」の様に衰弱していたソフィーは、大学の図書館で詩集を探している時、貧血で倒れてしまい、その場に偶然居合わせたネイサンに助けられ、2人は「奇跡の出会い」を果たす。
ソフィーとネイサンは、いろんな経緯をへて結婚するが、結局青酸カリで自殺を図って死亡する。彼女の腕には収容所時代の数字の刻印が消えることなく残っていた。
「自分の選択」の形で、子供や友人を失った人物の物語は日本にもいくつかある。
乃木大将は、二人の子供を旅順攻撃の戦でなくし、自らも明治天皇に殉死という形で死をえらんだ。
夏目漱石の「こころ」の主人公も、自分が裏切っので自殺した友人のことを、長年心に留めて悩んでいたが、乃木大将の殉死の報道に感銘して、死んでいった。
最近のニュースでは、幼子を自ら死に追い込むような親がいるが、これは倫理無き選択である。
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