寺田寅彦が漱石の家をはじめて訪ねたのは、熊本五高の学生時代だった。
友人の英語の試験の点をもらいに同行したという。
その時俳句の話がでて、その後寅彦も俳句にのめりこんだようだ。
「落ちさまに”あぶ”を伏せたる椿哉」
という漱石の句がある。
わが家の落ち椿を観察すると殆ど上向きに落ちている。
寅彦はこの現象を物理学的に実証しようとして、大掛かりな実験を行い、英文の論文を書いているそうだ。
椿の雌蕊にアブの重みが加わったときは、重心が下にさがり、アブが落ち、椿の下敷きになる可能性がたかいようだが、その前に逃げるほうが多いだろう。
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