2020年7月16日木曜日

沈寿官と司馬遼太郎


笑福亭鶴瓶の「家族に乾杯」で、鹿児島の旅を振り返る再放送があった。

家の門
 
鶴瓶さんが14代続く薩摩焼の窯元、沈寿官さんの家の門から入り玄関をあけて訪ねると、さっそく座敷に案内されて、「司馬遼太郎さんは、こちらの庭の方から這入ってこられて、この家には門がないと書かれてしまった。」という話になった。

司馬遼太郎との秘話もいろいろ話題になったので、彼の「肥薩のみち」を読み返してみた。

「沈寿官の屋敷の門は、薩摩では中くらいの家格の士族門である。門を入るとすご矢防ぎがある。・・・
外敵が侵入しようとした場合、これを楯にして矢を射る。・・・かって訪ねたときはそれがあったが、いまは小型トラックの出入りをするため、それがとりはずされている。」と書かれている。
どうも14代の記憶違いのようである。
屋敷の中庭
 
両家は深い交流の間柄のようで、15代の結婚仲人を司馬さんがつとめたり、沈夫妻を祇園のお茶屋に案内したり、その時の秘話が断片的に述べられており、沈さんの人間味あふれる側面を知ることができた。
14代も15代も、作風は独自の路を進んでこられたようだ。

 
一族は司馬遼太郎の小説「故郷忘れじがたく候」のモデルになっている。これはまだ読んでいないので、家の門のことは、この小説のことかも知れない。

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