2020年7月14日火曜日

曙のつどい



かつて、香椎に温泉旅館があった。

その香椎温泉旅館で、五・一五事件の同士を集めて会合が行われた。

 五・一五は海軍を中心としたテロ事件だが、当時海軍で危険思想の持ち主として長崎の大村航空隊教官だった藤井斉が、一人一殺主義を唱えた僧侶の井上日召、および後の中曽根首相参謀となる四元義隆らに、藤井が九州で出会った同士と引き合わせるために香椎温泉旅館に集まった。

 その後、神武会会長大川国明の昭和維新の急進思想の流れを汲む九大の右翼学生グループ数名は、香椎温泉旅館をアジトとして、民間団体、少壮将校らと気脈を通じてしばしば会合し、5・15事件直前には民間団体の巨頭井上日昭、樋口孝三郎、頭山秀三なども参加し40余名が会合してテロを謀議したという。

 最初の会合は昭和5年12月のことで、昭和7年の五・一五事件のための初会合として歴史上では位置づけられている。
計画の中心人物だった
藤井斉が「後を頼む」と遺言を残して中華民国で戦死し、この遺言を知った仲間が事件を起こすことになる。

 場所は九州高校や香椎工業の東側で、現在はラフォーレマンションになっているが、その前に写真のような記念の石碑「曙のつどい」が建てられている。






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