2025年12月7日日曜日

デジタル赤字

 デジタル赤字とは、海外のデジタル関連サービスへの支払い額が、受け取り額を上回る状態を示す。

2025年度では、6兆円だが、2035年度では45兆円と予想するレポートが出されている。

1)ネット広告取引やクラウド利用料など:18兆円

2)AIなど:              10兆円

3自動車ソフトなど:          17兆円

日本は戦後、製造業を中心に「ものづくり大国」として発展してきた。その結果が、デジタル化のおくれを招いた。

NTTどこものiモードなど国際レベルの技術開発もあったが、当時の経営トップが、自前主義で世界展開が進まなかった。

スイスの経営開発研究所がまとめた「世界デジタル競争力ランキング」では、日本は69ケ国中、30位、「デジタル技術スキル」は65位と、きわめて低い水準である。

デジタル分野はすぐれた能力を持った若者が、いきなり高い給料をもらう世界である。日本の年功序列、集団主義とはあわない。日本のソフト技術者は、ゲーム業界で働き、すぐれたソフトを開発してきた程度だ。

5年後、10年後に向けて、どのように産業界を改革し、日本の強みを発揮できるようにするかを議論する時期に来ていると思う。

ただし、99歳の私は全くデジタル技術分野のことは素人である。はじめてアメリカのシリコンバレーに行ったときは、マイクロソフトのビルゲイツが高校生で、ヒューレット・パッカードの会社にトランジスターをもらいに来たそうだ。社長はその熱意にほれて、夏休みに会社でのアルバイトに誘ったという話をきいた。

GAFAMなどの企業のない時代の人間だから、現在の若手技術者の活躍に期待するしかない。

直接対話できる若者は周辺にいないが、孫の二人がソフト企業にいるので、発破を掛けるくらいが、せめての現実行為である。