2017年9月9日土曜日

夢Q作品に描かれた箱崎の風物ポイント


夢野久作は福岡出身の大作家であるが、あまり知られていない。





夢野久作は箱崎に居住していた時期があり、その作品に箱崎の風物が取り上げられているものがある。
これらを地図にしめしたものが、今年の放生会で配布されるようだ。

〇ポイント ① ドグラ・マグラ 
狂人を模倣した 気味悪い屍体
 然るに本日午後五時頃、大学裏海岸を通りかかった沙魚釣り帰りの二名の男が、海岸に漂着している一個の奇妙な溺死体を発見し、この旨箱崎署に届出たので万田部長、光川巡査が出張して取調べたところ、懐中の名刺により正木博士である事が判明したので又々大騒ぎとなり、・・・


〇ポイント ②と、ポイント⑥ 犬神博士
地所かね。地所は箱崎八幡宮のものだが、八幡宮とはズット前から心安くしているからね。お礼心に石燈の倒れたのを起して遣っているから喜んでいるよ。
  その次は帽子だ。この山高は九大真野総長のお下りだが、この通り天井がマッチと煙草入れになっている。それからこの二重マントも真野君のお下りで、ジャンクの帆みたいに継ぎハギだらけだが、・・・ 


〇ポイント ③ 梅津只圓翁伝
その通りにすると今度は両手を突いて頭を下げよと云うので、又その通りにすると翁は自筆の短冊を二枚美濃紙に包んで紙縒で縛ったものを筆者の襟元から襦袢と着物の間へ押し込んだ。 「それを持って筥崎宮の二番目の中の鳥居の傍に在る何某(失名)という茶屋に行って、そこに居る禿頭の瘠せこけた婆さんへ、その短冊を渡してオオダイを下さいと云いなさい。


〇ポイント④と⑦の間 山羊髯編輯長
福岡市外というから箱崎町はかなり遠い処かと思ったら何の事だ。町続きで十分ぐらいしか電車に乗らないうちに、筥崎神社前という処に着いた。鳥居前に立ってみると左手の二三町向うに火見櫓が見える。田舎の警察というものは大抵火見櫓の下に在るものだ。事件は警察の直ぐ近くで起ったんだなと気が付いた。 ・・・思ったよりも立派な神社なので、思わず神前にシャッポを脱いで一銭を奮発した。


〇ポイント ⑤ 押絵の奇蹟
それから演奏の時に着ておりましたものの上に被布を羽織りましたまま汽車に乗りまして、故郷の九州福岡へ帰りました。そうして博多駅より二つ手前の筥崎駅で降りまして人目を忍びながら、私の氏神になっております博多の櫛田神社へ

〇ポイント ⑧⑨⑩ 空を飛ぶパラソルその二
そんなようなタヨリナイ苛立たしい競争の圧迫を、編輯長と同じ程度に感じていた遊撃記者の私は、ツイこの頃、九大工学部に起ったチョットした事件を物にすべく、福岡市外筥崎町の出外れに在る赤煉瓦の正門を、ブラリブラリと・・・

九州本線の下り列車は、いつもの通り風光明媚な香椎潟を横断して、多々羅川の鉄橋を越えて、前の事件の背景になった、地蔵松原の入口で大曲りをすると、一直線に筥崎駅まで、ステキに気持ちのいいスピードをかけるのであったが、その線路の南側に展開する麦畑や、菜種畑のモザイクを、松原越しに眺めるともなく眺めて行くうちに、フト妙なものが私の眼に止まった。・・・

〇ポイント ⑪ 少女地獄  殺人リレー
そのシボレーの折尾行きが例の通り満員しちゃったので、妾がステップに立って、新高さんが運転して行くうちに、妾はフッと気が付いて、筥崎の踏切を出ると直ぐにダンマリで後部のスペヤタイヤの横にまわって、荷物を乗せるデッキの上に立っていたの。

ポイント⑫⑬ 狂歌師赤猪口兵衛
先に立って行くのは二十四、五のスラリとした若い男。色の黒い、眉の濃い、眼の鋭い、それでいて何処となくイナセな体構えが、箱崎縞に小倉帯、素足に角雪駄、尻端折しりはしょりに新しい手拭で頬冠りをしている。当時、福岡の種子屋六兵衛老人と並んで、博多随一と呼ばれている捕物上手の目明、良助。

・・・それはそれは大した繁昌で、宗像、早良の大地主、箱崎、姪の浜の網元なんどを初め福岡博多の大旦那衆、・・・

(他にも九大が取り上げられた作品があるようだ。) 


上の地図と、下の地図は、すこしずれているポイントがある。



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