2018年5月7日月曜日

風の方位と強さの名前




風の方位の名前は、磁石が導入されてから、東西南北が標準になっているが、昔からの十二支による表現がまだ残っている。
その他に、船乗りや季節と地方による独特の表現が、いまだに多く使われている。

北風 (きたかぜ) 北から吹いてくる冷たい風。
朔風  (さくふう) 朔は月の初めで北風の意。

戌亥は、あなぜ。
丑寅は、北ごち。

あい(あゆ)の風  春から夏にかけて、日本海沿岸で吹く、北ないし北東の風。 
あなじ、あなぜ(乾風)  冬に近畿以西で吹く、船の航行を妨げる強い北東風

筑波東北風(つくばならい)  筑波山の方から吹いてくる北風。[つくばならひ・つくばならい]

あおぎた(青北風)  西日本で8月から9月ごろにかけて、晴天の夜間急に冷えて吹く北風

雁渡(かりわたし)  雁が渡って行く初秋のころに吹く北風
陰風  陰気、不気味な風。冬の風、北風、朔風





東風(はるかぜ、うふう、こち)

こちの風  東の方から吹いてくる風。特に春の東風
丑寅は、北ごち、あい、やませ。 
卯はまごち。
辰巳はこちいなさ。いなさ
梅東風(うめごち)、桜東風(さくらごち)、雲雀東風(ひばりごち)など。
朝東風(あさごち)  春の朝に吹く東風。
強東風(つよごち)  春、東から吹く強い風。
谷風  春先、東方から吹いて万物を生長させるという風。東風。穀風。また、谷を吹く風。谷底から吹き上げる風。たにかぜ。
まつぼり風  阿蘇の火口原にたまった冷気が外輪山から熊本平野へ吹き出す東の強風。(まつぼりは余分、へそくりなどの意味)

佐保(さお)風  奈良の佐保辺りを吹く風。また、東風をいう。[さほかぜ]

星の入東風(ほしのいりこち)  中国地方で陰暦10月ころ吹く初冬の北東風。明け方昴(すばる)が没する時刻に吹きやすいという。
黄雀風  陰暦5月に吹く東南の風。(くわうじやくふう)



西風 金風 にしかぜ いり。寂しい秋の風。
西北の季節風。あなぜ。あなじ。ゆに。
未申は、西まぜ。
酉は西風。
戌は西あなぜ。

いなさ  東日本、関東で海から吹く南東ないし南西の強風。雨の前兆とされる。

高西風(たかにし)  関西地方以西で10月ころ急に強く吹く西風、北西風。


束風  →玉風

玉風  東北・北陸地方の日本海沿岸で、冬に北西から吹く暴風。たばかぜ,たまかぜ。


岩おこし  広島県で3月頃吹く西風。[いはおこし」


鹿の角落とし  山口県で2~3月の晴れた日に吹く南西風

高西風(たかにし)  関西地方以西で10月ころ急に強く吹く西風、北西風。



南風
はえの風 

みなみ  夏の季節風。南風
巳午は、こちようづ。
午は、ようづまぜ。
午未は、やまぜ。


西日本一帯で南または南寄りの風のこと。
青嵐(あおあらし)  5~7月の青葉のころに吹くやや強い南風。せいらん

鹿の角落とし  山口県で2~3月の晴れた日に吹く南西風


しゆたらべ  喜界島で梅雨の前に吹く湿気を含んだ南風。

おぼせ  淡路、伊勢、伊豆などで4月頃の日和の時に吹く南風



凱風  やわらかい南風。初夏のそよ風。

白南風(しろはえ、しらはえ)  梅雨明けの頃、南から吹く風。しろはえ。

油風(あぶらかぜ)  4月ころ吹く南寄りの穏やかな風。油まじ。油まぜ。

野分の南風(のわきのはえ)  雨の少ない南の強風


ひかた  日のある方から吹く風の意味。広く日本海側一帯でいわれる夏の南寄りの強い季節風

まじ(真風)  西日本で南または南西の風をいう。桜まじ、油まじなど。まぜ。

南東風(みなみごち)いなさ  東のやや南寄りから吹く風。

下り  日本海沿岸、特に北陸地方以北でいわれる南寄りの風。京都から下るのに好都合な夏の季節風。
逆は上(のぼり)。



黒南風(くろはえ)  梅雨入りの頃、どんよりと曇った日に吹く南風。

風の強さの表現 (ビューフォート風力階級)

12 台風(颱風)颶風(ぐふう)    
11 暴風 烈風       
10 全強風  
 9 大強風   
 8 疾強風  
 7 強風  
 6 雄風   
 5 疾風   
 4 和風  
 3 軟風  
 2 軽風  
 1 至軽風  
 0 平穏 静穏

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