フィールズ賞(フィールズしょう)は、若い数学者のすぐれた業績を顕彰し、その後の研究を励ますことを目的に、カナダ人数学者 ジョン・チャールズ・フィールズ (John Charles Fields, 1863年 - 1932年) の提唱によって1936年に作られた賞。数学分野のノーベル賞といわれている。
日本人の受賞者は、2020年現在、小平邦彦(1954年)、広中平祐(1970年)、森重文(1990年)の3人(国籍別では5番目に多い)であり、1990年以降受賞者は出ていない。
今日は、その受賞者森重文氏の、「役に立つ数学・美しい数学」という記念講演をきいた。
数学といえば、微分、積分、幾何、代数、などが一般人の知るところだ。
「役に立つ数学」
フーリエ変換は波の重ね合わせで、多数の楽器の重ね合わせの音を分析することや、MRIのように、水素の場所や大きさの分布を解析できる。
リーマン幾何は、アインシュタインの相対性原理の解明に役立った。
平面幾何学は平面のまがり、負の曲がりなど、非ユークリッド幾何学につながった。
代数幾何学は巡回セールスマン問題や、IC,LSIの接続回路問題にやくだった。
「美しい数学」
絵として描けないものを描いたものが、印象派の絵である。ピカソの絵のように数か所からみた形を一箇所に描くキューイズムの絵もある。
講演では、代数的図形にならないものの役割を記述した数学があることを紹介された。
それは数学における概型あるいはスキーム (英: scheme) で、可換環に対して双対的に構成される局所環付き空間である。
二十世紀半ばにアレクサンドル・グロタンディークによって導入され、以降の代数幾何学において任意標数の代数多様体を包摂し、係数の拡大や図形の「連続的」な変形を統一的に取り扱えるような図形の概念として取り扱われている。
さらに、今まで純代数的な対象として研究されてきた環についてもそのアフィンスキームを考えることである種の幾何的対象として、多様体との類推にもとづく研究手法を持ち込むことが可能になる。
このため特に数論の分野ではスキームが強力な枠組みとして定着している。
キュービズムやスキームのように見えないものを見えるようにするするのが、芸術や数学である。
概型については、理解不足であった。
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