2026年3月22日日曜日

モンゴルと日本

モンゴル出身の霧島力士が3回めの優勝をした日に、こんなニュースを知った。



ある日、青森県に暮らす高村さん一家のもとに、一本の電話が掛かってきた。受話器から聞こえてきたのは、予想だにしない言葉だった。
「外務省からです。モンゴルの大統領が、あなた方を探しています」
話は28年前に遡る。高村さん一家は、ホームステイで一人のモンゴル人青年を受け入れた。約1週間という短い期間だったが、共に食卓を囲み、笑い合い、一家は彼と深い絆で結ばれた。特に、幼かった娘さんはすっかり彼に懐き、いつもそばを離れなかったという。
別れの時、その心優しい青年は、高村さん一家、とりわけ小さな娘さんと固い約束を交わした。
「いつか、僕の国モンゴルに招待します」
それから四半世紀以上の時が流れた。日々の暮らしの中で、その約束は遠い昔の温かい思い出となっていた。そこへ掛かってきた、あまりにもスケールの大きな一本の電話。なんと、あの時の好青年「フルレー」(当時の愛称)が、モンゴルの大統領になっていたのだ。「まさか、あの時の青年が大統領になっているとは…」。高村さん一家は、驚きを隠せなかった。
しかし、約束は言葉だけでは終わらなかった。数年後、大統領となったフルレーこと、ウフナーギーン・フレルスフ氏は、高村さん一家を正式にモンゴルへ招待。28年ぶりに再会を果たした彼は、涙を浮かべながら、かつて本当の家族のように接してくれた一家を温かく抱きしめた。
しかも、そのもてなしは想像を絶するものだった。国賓級の待遇で迎えられ、国民的な祭典では各国の来賓が並ぶ席に通された。一国のリーダーとなっても、彼は日本の一家と交わした約束を、そして受けた恩を決して忘れてはいなかったのだ。
モンゴルの広大な大地の下で、高村さん一家は再び彼と約束を交わした。
「今度はまた日本に遊びに来てください」
国や立場を超え、一人の人間として交わした約束を大切にし続けた大統領と、その優しさを受け止めた日本の家族。それは、人と人との絆がいかに尊いものであるかを物語る、奇跡のような実話である。

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