2020年11月3日火曜日

天神地下街の唐草模様の天井

 九州最大の繁華街天神の地下を南北に貫く全長約590mの地下街。

19世紀ヨーロッパをイメージして造られ、石畳の床や唐草模様の天井などは、開業当初から斬新でありながら落ち着いた雰囲気を効果的に演出している。



唐草文様の原型は古代ギリシアの神殿などの遺跡でアカイア式円柱などに見られる草の文様であり、メソポタミアやエジプトから各地に伝播したと考えられている。
また、古代エジプトの睡蓮にも起源があるとされ、イスラム美術の一様式におけるアラベスク文様にも関係する。中国シルクロード経由で日本に伝わったとされている。日本では、奈良時代に渡来した様式から、次第に和様式となったものが好まれるようになった。
蔓草の生命力を発展に結び付けて一種の吉祥文様として日用品などにも使用されることが多い。
唐草模様の鋳物を製作したのは当時箱崎にあった昭和鉄工。スチーム暖房器具の薄肉鋳物を得意とするメーカーだった。
当時このプロジェクトの責任者だったゴルフ友のS常務から聞いた話では、芸術品の受注製作ははじめてのことだったが、当時の飯田社長が積極的だったようだ。
赤坂にある飯田屋敷の大銀杏の家柄の子孫で、福岡のシンボルとして残すことへの意欲が高かったのであろう。
始祖の飯田覚兵衛は熊本城時代の飯田丸五階櫓にも銀杏の彫り物を残している。日本七槍の武将も芸術心があったらしい。




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