春告魚は、文字通り、「春の訪れを告げる魚」の意味。
ニシンは3~5月、産卵のために大挙して北海道の西岸に近づくことから、「春告魚」と呼ばれるようになった。
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ニシン 鰊 鯡 |
「ニシン」の語源には、「二親」説と「二身」説がある。「二親」とは父母のことであり、盆や正月に両親の長寿を祈って食べる魚であったことに由来する説である。「二身」は身を二つに割いて食べることに由来する説である。他にも、二つに身を割ることから「妊娠」を語源とする説もある。
漢字の「鰊」のつくり「柬」は「若い」という意味。小魚を指すことからニシンに字が当てられた。また、「鯡」のつくり「非」は否定を表し、「まだ成魚になりきっていない魚」という意味を表す。「鰊」と「鯡」どちらが先にできたかは不明だが、室町時代の『節用集』に両方の字が出ている。
ニシンの漁獲高が減少したことから、近年では春から初夏にかけて旬となる「メバル」が「春告魚」と呼ばれるようになってきている。
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メバル 鮴 |
鮴(メバル)の由来 「鮴」という漢字は、メバルが海藻の茂っている場所や岩の間などでじっとして遠くに移動しない「休む魚」にみえることに由来している。 「メバル」という読み方は、目が大きく見張っているようにみえる「眼張」や「目張」に由来する。
また、「ニシン」や「メバル」以外にも、渓流釣りで3月に解禁されることから
「サワラ(鰆)」など、地方や魚と接する立場によって「春告魚」と呼ぶ魚は異なる。 |
さわら 鰆 |
サワラには、植物の椹、地名の早良、佐原などもある。
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