「原作者のマリオ・プーゾは、北条家の歩みに影響を受けて『ゴッドファーザー』を作ったんでしょう!」と三谷幸喜氏が冗談まじりに言ったように鎌倉殿の13人の北条義時とゴッドファーザーのマイケル・コルレオーネは非常によく似ていますね。
縄張りを守るために弱肉強食の抗争を続けるギャング一家の家長(板東武士団、ニューヨークマフィア)を継ぐことが決まっていたイケイケの兄さん(北条宗時、ソニー・コルレオーネ)が敵対組織に殺されたため、それまで切った張ったの争いに関わらず地道に生きようとしていた弟(北条義時、マイケルコルレオーネ)が一家の跡継ぎとなり親(北条時政、ヴィトーコルレオーネ)の家業を支えていくことになる。
家族を守るために心ならずも敵対組織(比企一族他関東武士団、タッタリアファミリー他敵対ファミリー)との血で血を洗う抗争を続けるうちに、かつて暴力が苦手だった内省的青年は、次第に非情な暴力組織の論理を身につけて凶暴な殺し屋(善次、とう、クレメンツア、ネリ)を手足として使うようになる。
ついには組織の秩序を守るためには、親しい友人(畠山重忠、和田義盛、テッシオ、カルロ)や親族(一幡、時政、フレドコルレオーネ)までも粛正していく冷徹な男に変貌し、巨大組織を支配する絶対権力者(執権、ゴッドファーザー)になっていく。権力者に変貌していく過程で本来の目的であったはずの守ろうとした家族が壊れていく悲哀も同じように描かれています。
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