2023年5月21日日曜日

「始終」と「終始」と「終初」

 「始終」と「終始」は、お互いに似ているようで、意味が少し異なる語です。

「始終」は、物事のはじめから終わりまでの事情を意味します。物事が移り変わっていく成り行きの全部。

「終始」は、はじめの状態・態度が最後まで変わらないことを意味します。途中変化せずに貫き通す。

なお、「始終」と「終始」のいずれも、「いつも、常に」という意味で用いられることがあります。

「始終」の使用例

  • 事の始終を話す
  • 一部始終〔=はじめから終わりまでの全事情〕
  • 始終勉強している

「終始」の使用例

  • すれ違いに終始する
  • 終始一貫〔=はじめから終わりまで貫き通すこと〕
  • 終始変わらない態度

今朝の新聞で、ある作家が、「終わりの始め」という文章を書いていました。今まで書いてきた多くの作品を振りかえりながら、人生の最後に書き残したい作品の構想を考えているという趣旨の文章でした。
わが夫婦は、介護老人ホームを抜け出して、マンション住まいをはじめ、ここが終焉の地として生活しはじめています。終わりの始めです。
「終」の文字は、糸を初めから終わりまで巻いた糸の玉と、冬の貯蔵用食料をぶら下げた状態を示す象形文字。
「始」の文字は、女と台の会意・形声文字。女性としての初めての行為、つまり始めて胎児をはらむ会意文字。
「初」めの文字は、衣に挟みをいれて切りはじめる衣と刀の会意文字。我々の生活の場合は、辞書にはないが、「終初」の文字が適切であります。

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