2021年9月23日木曜日

最近の常温核融合の研究


NHK:フランケンシュタインの誘惑「夢のエネルギー“常温核融合”事件」

昨日9.22.NHKで常温核融合の研究について、詳しく解説する番組を見た。

1)1989年3月23日にイギリスサウサンプトン大学マーティン・フライシュマンアメリカユタ大学スタンレー・ポンズが、この現象を発見したとマスコミに発表した。フライシュマンとポンズは、重水を満たした試験管(ガラス容器)に、パラジウムプラチナの電極を入れ暫らく放置、電流を流したところ、電解熱以上の発熱(電極の金属が一部溶解したとも伝えられた)が得られ、核融合の際に生じたと思われるトリチウム中性子ガンマ線を検出したとしている。

フライシュマンとポンズによる常温核融合に成功したという報道は、結局不正な論文であった。

当時、私は、糸川英夫氏の科学技術講演をきいたが、資源が無限に手に入るエネルギ源で、未来は明るいと楽観的な評価をかたっていた。


2)しかし、その可能性を信じる一部の研究者たちが地道に研究を続け、徐々にこの現象の再現性が高まってきた。2010年頃から、米国やイタリア、イスラエルなどに、エネルギー利用を目的としたベンチャー企業が次々と生まれている。日本では凝縮集系核反応、米国では「低エネルギー核反応」という呼び名で、再評価する動きが出てきた。

アメリカでは、2011年に常温核融合に関連する特許を認可した。




これは最近のナノ技術により金属の分子間距離を縮小して、そのなかに重水素を収入するという技術であるという。日本でも酸化ジルコニウム・パラジウム合金を格子状のナノ構造にし、その構造内に重水素ガスを吹き込むと、常温で過剰熱とヘリウムが発生するという方式が研究されている。


3)東北大学でも、常温核融合の研究が進んでいるという。技術内容の説明は抽象的であったが、実は、東北大学に新設された凝縮系核反応共同研究部門は、クリーンエネルギー分野のベンチャーや研究室などに投資するクリーンプラネット(東京・港)が研究資金を出し、東北大学が施設や人材を提供するという形で2015年4月に発足した。

「核融合の際に発生する膨大なエネルギーを安定的に、安全かつ低コストで取り出せる道が見えてきたことで、欧米を中心に開発競争が活発化している。日本の研究者は、これまでこの分野を主導してきた実績がある。実用化に向け、国内に蓄積してきた英知を結集すべき」。クリーンプラネットの吉野英樹社長はこう考え、東北大学に資金を投じたのだ。




そのほかにも、世界角国で、常温核融合の研究は続けられている。実用化されるのは何十年先だろうか。


石原志乃武FB記事:9.21.

 九州大学で実証実験中の核融合炉の見学をさせて頂いたことがあります。核と聞くとそれだけで身構えてしまうのですが、核融合は要するに太陽の放射原理なので、事故があっても反応が停止するだけでメルトダウン無し、放射能も実質影響無し。極端に言えば街の真ん中にあっても大丈夫なもので、素晴らしいと思いました。

まだ技術的にはクリアすべき課題も多いそうですが、再生型エネルギーに多くのエネルギー量は期待できず、かといって従来型の原発では大きな危険と隣り合わせということであれば、この技術に期待すべきことは大きいのです、政策論争にも出てくるようになった核融合炉、多くの生徒・学生に知らせ、正しいエネルギー利用の在り方を共に考えていきたいと思います。




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