●三つの異なる「愛」
新約聖書を読んでいると、確かに日本語でいう「愛」という言葉が、翻訳として何回も出てきます。しかし正確には、主に三つの言葉が使い分けられています。
厳密に分けられるというよりも、おおむねですが、3種類あります。
一つは「エロス」という言葉です。現代語でのエロチックにつながるものです。
次が「フィリア」という言葉、もう一つが「アガペー」という言葉です。
少し大ざっぱな言い方ですが、エロスとは人間が何かを求める動きです。自分の中にはまだ満たされていないものがあり、それを求めようとする欲求をエロスとして考えていいと思います。男女間の愛はその代表です。
少し大ざっぱな言い方ですが、エロスとは人間が何かを求める動きです。自分の中にはまだ満たされていないものがあり、それを求めようとする欲求をエロスとして考えていいと思います。男女間の愛はその代表です。
三つ目のアガペーは、先ほどのエロスとは向きが逆のものです。自分が何かを求める、自分のところに何かを持ってくるというよりも、自分が与えるということです。
たとえ相手が何かをしてくれなくても、ひたすら自分が与える。これがアガペーであるという理解でいいと思います。
アガペーの典型的な例は赤十字で、傷ついた敵を撃ち殺さないで救う姿です。憎い、殺したい敵を、思いとどまって、介護する理性の愛が本当の愛だと聖書は言います。
嫁姑の不仲はよくあるが、嫁は姑を嫌いのままでよいから、自分の母親ならどうするだろうかと、理性的な意志の力で考えることです。
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