2022年7月2日土曜日

シリコンアイランド九州の復活は。(改訂版)

 1980年頃にスタートした九州での半導体生産は、2000年には、1兆4000億円に達し、九州はシリコンアイランドと呼ばれていた。

しかしその後、人件費の上昇や後進国の追い上げにより、受注が減少し生産額は半減していた。

経済産業省は最近、世界的半導体メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)とソニーグループ、自動車部品大手のデンソー熊本県につくる半導体工場の計画を認めた。総投資額86億ドル(約1.1兆円)のうち、政府が最大4760億円の補助金を出す。

 4月に着工しており、2024年12月の生産開始を見込む。

 計画によると工場の従業員1700人のうち1200人を地元で採用し、半導体につかう部材などは50%以上を国内企業から購入することをめざす。補助金の条件として品不足になったときの増産や、10年以上の稼働を求めている。

背景にはTMSCが、世界半導体の50%以上のシェアを持ち、その技術力が優れていることがある。


新工場の敷地は、既設の国内メーカーのうち、ソニーの工場に近接した場所にある。


左上がソニーの工場:手前中央が新工場予定地

ローム・アポロも新工場を建設する予定である。パワー半導体の分野をめざしているという。

また東京エレクトロンのような、半導体製造装置の専門メーカーも、熊本には存在している。







人材確保の基盤としては、九州工業大学の「マイクロ化総合技術センター」の施設や、九州各地の大学や高専の電子技術学科があり、かっての教育実績が温存されて
いる。

数年後には、シリコンアイランド九州が、復活するであろう。しかしかってのブーム時代のように、また短期間で衰退しないことを祈る。ブーム時代に就職した教え子たちが、その後苦労したことを知っているからである。

その後中国への半導体輸出規制が、米国の提唱で決定した。


これも日本にとって有利な条件になるだろうか?

令和5年に行われた、半導体業者の講習会での業界内容の報告の一部を紹介する。






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