2022年7月8日金曜日

安倍元首相の警護問題

 

左下の赤い台が安倍氏の演説台:SANKOの甲板の下が犯人が最初にいた場所




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7月8日、安倍元首相が、選挙応援演説中に銃撃され、亡くなった。

奈良・近鉄・西大寺駅前で、10日ほど前(6月28日)にも安倍元首相は、ここで、演説をしていたそうだ。

警視庁SP1人と奈良県警の警察官複数名が、厳重な警護をしている中で、犯人は聴衆を装って演説を聞き、拍手をしながら背後から近づき、7~5m位の位置から突然発砲した。

最初の発砲の瞬間。左端が犯人;右橋が安倍元首相

市によると、駅前ロータリーの拡張工事に伴い、市が4月中旬に北側のガードレールを撤去し、車がUターンできる道路になった。南側のガードレールエリアは県道に面しており、演説する場合は周囲360度の方向に警戒が必要になる。

安倍氏の演説時は、ガードレール内に警視庁の警護員(SP)1人と奈良県警の警護員3人の計4人が近くにいたが、安倍氏の背後を十分見ておらず、山上容疑者が近づいてくるのに気づいていなかった。

 街頭演説では、360度の方向から人が近づける場所はリスクが高く、不向きとされる。しかし、事件当時は県道の交通規制はされていなかった。

警護の専門家は、SPと県警の連携がうまくとれていなかったようだと批評していた。現役の首相でないため、制服警察官の数が少なく、犯行を諦めさせる「見せる警備」が出来ていなかった。

聴衆の少ない背後の警戒が不十分だし、救急車の準備もしていなかった。

たしかにバッグをもった男が、SANKOの甲板のある建物の前 の歩道から車道に出て、1人で背後から車道の半分を横切って、7~5mまで近づくのは異常だが、拍手しながらゆっくり歩いてきた犯人の作戦は、警護陣を油断させるのに成功したようだ。拳銃は黒のテープで巻かれていて、テレビカメラのように偽装していたという報道もある。

銃は犯人の手作りのものだったという。






犯人が歩道を出て、発砲するまでの時間は、2分20秒もあった。背後担当の警備員は車道の車や自転車や荷物車に気をとられて、犯人に気づかなかったという。

ただ1発目の弾(11時31分)ははずれ、銃声で安倍氏が 振り向いたとき、さらに2mほど近づき2発目(11時34分)を撃って、咽喉と心臓に命中したらしい。その間、3、4秒位あったようだが、SPたとちは何をしていたのだろうか?

1発目発射の時、走り出した警備員の1人は、走り出して女子高校生と衝突し、転倒させてしまっている。また元首相の横にいたSPは、防御かばんを楯に防ごうとしたが、間に合わなかった。その直後犯人は取り押さえられた。

発砲の瞬間:視聴者撮影 白丸の中が安倍氏と犯人

一発目の銃声が鳴り響いた瞬間、SPが安倍元首相にタックルなどをして身を屈めさせつつ、身を挺して安倍元首相に覆い被さり,防弾カバンを向けて銃弾から身を守るというベストな対応ができなかったでしょうか。

近くにいた奈良市長、候補者や応援者に、負傷者が出なかったのが、不思議な位である。

歩道から車道に出た時点で、犯人を止めるべきだという意見が強い。

また、後ろの車道を車が通るような場所を演説場所に選んだのは誤りで、車から狙撃される危険もあったはずである。

テレビで、銃撃の場面の多くの映像をみたが、テレビ局や聴衆の画像に、安倍さんが倒れられる瞬間の映像はなかった。

アメリカでは、ケネディがパレード中に撃たれて後ろに反り返る画像は、まるで映画のようにしっかりとらえられたが、安倍さんの場合は 、後ろを振り返る瞬間に、カメラマンが銃声に驚いてカメラを落としたらしく、画像は地面にかわってしまった。

その後は、SPなどが犯人を取り押さえる場面や、倒れた安倍さんに人工呼吸などをする人たちの場面になった。




午前11時34分頃撃たれて、54分ごろにドクターヘリで病院に空輸され、午後0時18分に病院に到着。病院では総員40名近い医師による救命処置が行われ、100単位(13リッター)の輸血もされたが、午後5時3分過ぎに、遂に帰らぬ人となられたという。

翌朝の新聞には、警備に穴があったことが、大きくとりあげられていた。夕方には、奈良県警本部長の記者会見もあり、警備に問題があったことは否定できないことを認めた。

前日に、不祥事件がありその対策に追われて居るときに、安倍元首相の演説が急に這入り、人員配置に混乱をおこしたようだ。






犯行の動機や、背景については、今後の詳細な発表を待ちたい。

2006年に52歳で史上最年少の首相になり、2012年には2度目の首相就任、総在位期間8年8カ月の最長記録を残し、東京五輪を推進した安倍元首相のご冥福を、心より祈ります。



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