「背山臨水」とは?
山を背後にして水を前方に見るような土地、または配置のことを「背山臨水」といい、古代の中国で風水の思想から生まれました。古くは都やお城を築く際に、また現代でも住宅や商業ビルなどを建築する際に「理想的な立地、理想的な建て方」をするために用いられてきました。
中国の古代首都、長安のこの思想で選ばれた地形に築かれています。
戦国武将は常に命を狙われる人生でした。ですから背中を無防備にしていたら、いつ命を失うかわかりません。ですので無防備な背後は守りたいもの。また山龍=大地の気は、山頂から流れてくるので、背中を押してくれる「追い風」となるよう、背後から受けるのが良いとされています。ですから建物の背後は山で守られる場所を探します。
そして人が生きるために欠かせないのが水です。背後に山があり、前面に川があって開けた立地が風水では吉相地とされます。
わが家も背中に前岳があり、前に青柳川の上流の一つの小川がながれています。
日本の多くの都市もこの背山臨水の風水に適した場所に発達してきましたが、古賀市も全体をみわたすと、東側に犬鳴連山があり、西側に玄海灘の海が開けています。
山が好きな人は山側を向くことが多いかもしれませんが、多くの人はどちらかというと海側を向くはずです。なぜなら、山側よりも海側のほうが低いからです。球を転がせば、低いほうの海側へと転がっていくでしょう。人もまた物体の一種ですので、山から海にかけての道があれば、低いほうの海側へ歩みを進めるほうが、自然体といえます。
このようなことからすると、高い場所である山のあるほうに背を向けて、低い場所である海のあるほうに顔を向けているというのは、心理にも物理にも適した佇まいといえるでしょう。そこに「落ちつき」感があってもおかしくないはずです。
風水ではこの考え方をインテリアにも応用します。本棚や洋服ダンスなど背の高いものを「山」、廊下やリビングの床など低い場所を「水」と考えます。キッチンなどの水回りも「物理的な水」なので水とします。その原則を踏まえて、家具の配置をしていくのが巒頭(らんとう)の風水です。
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