2021年12月11日土曜日

賀川豊彦と田坂宏志(科学と宗教)

 最近殆ど話題にならなかった賀川豊彦が、テレビ番組に登場した。賀川 豊彦(かがわ とよひこ、旧字体:豐彥1888年明治21年)7月10日 - 1960年昭和35年)4月23日)は、大正昭和期のキリスト教社会運動家社会改良家である



私が彼の講演を聞いたのは、敗戦後の昭和21,2年ころであった。戦災者の救護にあたる厚生省戦災援護会委員や日本教育者組合の会長などをつとめ、国際平和協会を設立して、機関誌「世界国家」を発行し、その広報活動で全国をまわっている時であった。
大学の理系学生を集めた講堂での講演だったので、いきなり大黒板に元素の周期表を書き、自然界の綺麗な周期の話から講演をはじめた。
単なる宗教家ではなく、広報活動のテクニックも十分持ち合わせた人物だったから、ノーベル賞候補にもなったのだろう。

最近、田坂宏志なる人物が、量子科学の理論を振り回して、死後の世界を論じ、科学と宗教の一致をときはじめている。

田坂 広志(たさか ひろし、1951年 - )は、日本技術者経営学者社会起業家論)。学位工学博士東京大学1981年)。多摩大学名誉教授大学院経営情報学研究科特任教授グロービス経営大学院大学特別顧問経営研究科特任教授、株式会社日本総合研究所フェロー、シンクタンク「ソフィアバンク」代表、田坂塾(任意団体)塾長、社会起業家フォーラム代表、社会起業大学株式会社“名誉学長”などの肩書をもつ人物である。

工学博士が最先端量子科学を用いて人の死を語っている。
宗教で教えられる死、科学で語られる死、哲学での死、そのどれも信じ切ることができない。
著者はそれを量子科学で客観的に紐解くと言う。
最初は量子科学の不思議を分かりやすく解説してくれているけど、段々と怪しくなる。
○○については後ほど説明するとか、詳しくは次章で解説するとか述べ、フィールド仮説なるもので「意識の不思議な現象」を科学的記述もなく、著者の創造と考えの羅列に終始していて、実際は何一つ説明していない。
 
特定の宗教団体に所属している様子はなく、また自ら具体的な宗教活動を行っている様子はないが、賀川豊彦の後継者となるのか、注目しておきたい。



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