14号は、洋上に発生後迷走して勢力を強め、過去に類がない猛烈台風と報道された。
当時の中心気圧は航空機で計測され915hPaと報道された。
台風は佐多岬から九州本土に上陸し九州の幹線を北上して、北九州市から中国地方沖を東行していった。
わたしは十数年位前から、台風が通るときに、自宅で気圧変化を計測しはじめた。
台風が近づく間は気圧が下がり、通りすぎると上がりはじめるので、時間軸に対して、UまたはVの字を描く。当初はただそれだけで、ラジオやTVのニュースでの台風の動きと比べて楽しんでいた。
最近は台風にかんする幾つかのデジタルデータがTVでも見れるようになったので、今回はそのデータとの比較を取り入れてみた。
18日正午から翌日までほぼ徹夜して、わが家の気圧計測器で自宅の気圧計測をはじめ、D/NHKの台風情報のデータとの比較記録をとり、下記のグラフにまとめた。
横軸は時間,縦軸は気圧(左目盛り)と風速(右目盛り)。
一番上の細い線は自宅の気圧計測値。
ピンクの太線は台風中心の気圧。
青い太線は台風中心の風速。 黄色の太線は新宮町の風速。
太線はすべてD/NHKの発表数値。
中心気圧の経過:
18日正午頃は台風が屋久島にあり、925hPaになっていた(自宅では992)。
以下hPa省略。
17時で鹿児島に上陸し935(自宅で982)。22時伊佐に北上し940(自宅978)。
19日(24時過ぎ)に入り、八代から柳川に移動する間に急上昇して955(自宅970)。
2時すぎには更に上昇して960(自宅967)。
7時には970に上昇して自宅気圧と一致した。その時の位置は飯塚という表示であったが、中心半径が大きいので、わが新宮町も含まれていたのだろう。
その後北九州を過ぎてからは、地元気圧・中心気圧ともに上昇しはじめ、20時過ぎには地元は平常時の気圧にもどった。
中心気圧が階段状に変化するのは、気象庁の発表が数時間間隔で行われるためで、変化の実態は階段の先端をつなげばよいだろう。
過去にも中心がわが家の付近を通過したことがあったが、当時は中心気圧のデータが刻々発表されることがなく、わが家のデータだけ記録していたので、今回のようにデータが一致したのははじめてである。
ただ、中心気圧の変化にたいして、中心風速の変化が鈍いのが気になる。
中心気圧とその風速の関係は、気温、周辺気圧、地形など複雑に影響するので、科学的にその関係を解明でき出来ていないようだ。
また中心の平均風速と、最大瞬間風速の違いも気になる。台風被害はこの最大瞬間風速でおきるのが、大半であろう。
下図のデーターで、屋久島が最大なのは解かるが、佐伯市や唐津市が高いのは、海岸の地形の影響だろうか。
中心気圧に注目を!
まだ不明なことの多い台風の性質であるが、中心気圧の変化が殆ど報道されないのは少し異常である。
今までの例では、洋上から陸上に上がった時は、かなり気圧が上がることが多かったので、この傾向は、予報の中に取り入れて良いのではなかろうか。
洋上の時の気圧からの予測で、いつまでも猛烈台風と叫び続けることは、訂正してもらいたいと思う。
後日発表された国立情報研究所の「デジタル台風」の詳細なデータ:
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