2021年9月24日金曜日

小松左京氏の短編SF小説

 小松左京氏の短編SF小説に

「そして誰もしなくなった」というのがある。


あるとき突然、某国の総理大臣が「やーめた」と言って辞めてしまう。それが伝染し、国民が次々と「やーめた」といって、仕事や勉強や、日常生活の活動を止めてしまう。当然、皆お腹が空いて来るのだが、食事も作らず、ただ只ボーっと滅びを迎える・・・
この小説が書かれたのは1970年。大阪の万博が開かれ、日本中が「人類の進歩と調和」を確信していた時代であた。


当時は、荒唐無稽な与太話としか読めなかったが、小松左京氏は高度成長にまい進する日本人の心の奥底に潜む、無気力さの芽生えを感じていたのだろう。
平成16年度の労働経済白書に「無職業非学生の若年層が52万人に達した」という報告がされ報じられている。正社員よりも、パートの方を好む傾向が出てきた。
最近、総理大臣が急にやめたでが、幸い政治家の「やーめた」の連鎖反応はなかった。
コロナ感染予防のため、外出自粛、三密禁止で、社会活動がとまり、社会保障、(Go Toとらべる、Go Toいーと、Go To イベント、Go TO商店街など)で賄う行政がつづいている。
日本人が無気力に、この行政にあまんじていたら、小松SFの世界に落ち込んでしまう可能性がある。

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