棟方志功展示室 小林コレクションを中心に
棟方志功は多くの文人との交友がありました。
歌人の小林正一氏もそのひとり。その交友は、1959年頃、小林氏が日本経済新聞の歌壇欄に棟方作品を詠んだ歌「志功描く 女の顔はいとあやし 遊女とも見ゆ 菩薩とも見ゆ」を投稿したところから始まります。この歌が第一位に選ばれたことがきっかけとなり、小林氏は荻窪の棟方の自宅を訪ね、交友が始まりました。
このときの選者は吉井勇。やはり棟方と交友があった歌人で、今回、吉井の歌に棟方が板画を彫った「流離抄」も展示されています。
棟方と小林は意気投合し、1962年年頃からさらにその交際は深まっていきます。
小林は詠んだ歌を棟方に送り、棟方が気に入ったものを気の向くままに板画とし、20点をまとめて《山懐頌》としました。
このほかにも小林は数多くの棟方作品を収集していますが、板画だけでなく、棟方に依頼して描いてもらったという肉筆画はとりわけ優れたものです。
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