2025年6月2日月曜日

棟方志功と小林正一

 

棟方志功展示室 小林コレクションを中心に


棟方志功は多くの文人との交友がありました。

歌人の小林正一氏もそのひとり。その交友は、1959年頃、小林氏が日本経済新聞の歌壇欄に棟方作品を詠んだ歌「志功描く 女の顔はいとあやし 遊女とも見ゆ 菩薩とも見ゆ」を投稿したところから始まります。


この歌が第一位に選ばれたことがきっかけとなり、小林氏は荻窪の棟方の自宅を訪ね、交友が始まりました。
このときの選者は吉井勇。やはり棟方と交友があった歌人で、今回、吉井の歌に棟方が板画を彫った「流離抄」も展示されています。

吉井勇の歌


棟方と小林は意気投合し、1962年年頃からさらにその交際は深まっていきます。
小林は詠んだ歌を棟方に送り、棟方が気に入ったものを気の向くままに板画とし、20点をまとめて《山懐頌》としました。

  • 小林正一歌集『板華頌』(はんげしょう)、志功画、私家版(非売品)1971年

このほかにも小林は数多くの棟方作品を収集していますが、板画だけでなく、棟方に依頼して描いてもらったという肉筆画はとりわけ優れたものです。

小林氏は長野県野沢温泉村の出身で、1973年には棟方の信州スケッチ旅行の案内もしています。
今回は、今年度から寄託いただいている小林コレクションを中心に、青森県庁舎が落成した際に制作された「花矢の柵」など代表作を展示します。

花矢の柵

このほかにも小林は数多くの棟方作品を収集していましたが、板画だけでなく、棟方に依頼して描いてもらったという肉筆画はとりわけ優れたものがあります。


今年の6月安川カレンダー


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