2015年3月11日水曜日

戦争のプロタガンダ10の法則

 

こんな本が売れているそうだ。
戦争のプロパガンダ 
 戦争の背景には必ず地政学的、経済的な利害があり、それに宗教が一枚加わる。
宗教も原理主義が加わると、さらに厄介な戦争になる。
 
 戦争を正当化するために使われるプロパガンダには10の法則があるとして、歴史の事実に基づいて詳しく解説をしたのが『戦争プロパガンダ10の法則』(アンヌ・モレリ著 永田千奈訳 草思社 2002年3月)である。
 この本の基になったのがアーサー・ポンソンビー(1871年~1946年)というイギリスの名門に生まれ下院、上院議員となり大臣まで経験した人物で、平和主義を貫くポンソンビーは第一次大戦中に義勇兵を募集するために行ったイギリス政府の戦争のプロパガンダを批判するパンフレットを発行し、のちに「戦時の嘘」を書いた。
 ポンソンビーによると、戦争プロパガンダの基本的なメカニズムは10の法則に集約出来るとしており、アンヌ・モレリがこの10項目を具体的に歴史の事実から証明をしたものである。
 第一次大戦、第二次大戦から湾岸戦争、コソボ紛争、イラク戦争まで10の法則が交戦国双方でどの様に使われて来たかを解説している。
戦争のプロパガンダ10の法則

 1.「われわれは戦争をしたくない」
 2.「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
 3.「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
 4.「われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命のために戦う」
 5.「われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる」
 6.「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
 7.「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」
 8.「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」
 9.「われわれの正義は神聖なものである」
 10.「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」
 
 太平洋戦争を経験した私も、戦時中これらのプロパガンダが日常生活の中に入り込んでいたことを思い出す。

 その後の朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争、アフガニスタン、イスラエルとパレスチナ、IS国、ウクライナの“戦争”などでも、民間人が攻撃をするのは「テロ」で、正規の軍隊が戦車攻撃やミサイルを撃ち込むのは「正義」というプロパガンダが流されている。
 
 情報技術が発達し、言論も大幅に自由となり、世界中の人がリアルタイムでテレビを見ている現在でもこの10の法則が実証されている。
 科学技術の発達と人類の知恵の発達とは、どうやら無関係らしい。
中国の防衛費が10%の伸びで、尖閣列島を乗っ取ろうとしている。これに対して日本は?というあせりの声がおこってい る。
 しかし敗戦国の日本は、永世中立で最小限の防衛本位の軍備ですますのが原則である。
藤原正彦の「国家の品格」では、情緒のある文化度の高い国は戦争を起こさないし侵略されにくいという議論がされている。
幕末の混乱期に植民地化されなかったのは、西欧諸国が日本の文化度の高さに感銘したからという説もある。
ギリシャなどが今も存在しているのは、かっての文明度の高さからだろうか。
だが軍国原理主義の指導者が近隣にいると、被害はまぬかれない。
その時はかってのフランスのようにあっさり占領されて、地下でのレジスタンス運動を展開するのがよかろ。
 昨日西ドイツの首相の話では、「戦後フランスはドイツに歩み寄ってくれた」と言う話をしていた。
ドイツは良い隣国をもって幸いだ。

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