2019年2月23日土曜日

名探偵登場のあらすじと評価




名探偵登場:1976

コロンボ刑事役で有名になるピーター・フォークが登場する映画である。

「あなたを晩餐と殺人に御招待します」という手紙をもらった世界的に有名な5人がライオネル・トウェイン(トルーマン・カポーテ)邸にやって来る。

5人はいずれも映画・小説で、おなじみの探偵のパロディ。

鼻下に美髯をたくわえた美食家ミロ・ペリエ(ジェームズ・ココ)がエルキュール・ポアロ。

警句をしじゅう口にするシドニー・ワン(ピーター・セラーズ)はチャーリー・チャン。

都会的で洗練されたディック(デイヴィッド・ニーヴン)とドラ(マギー・スミス)のチャールズトン夫婦はニックとノラのチャールズ夫妻。

トレンチコートを着て唇の端から発音するサム・ダイヤモンド(ピーター・フォーク)はサム・スペード。

お人好しのジェシカ・マーブルズ(エルザ・ランチェスター)はミス・マープルのもじりである。

彼らが落ちかかった橋を渡り、玄関まで来ると屋根から石像が落ちてきたり、呼鈴は「女の叫び声」というように「晩餐と殺人」の招待にふさわしい歓迎だ。

その上、彼らを出迎えた執事のベンソンマム(アレック・ギネス)は盲目でとんちんかんな言動をして客を戸惑わせた。

新しく雇われた料理女イエッタ(ナンシー・ウォーカー)は聾唖者だったからベンソンマムの指示が理解できず、晩餐は何の仕度もされなかった。

全員が食卓につくが料理がなく、ペリエは怒り出す。

その時、突然トウェインが現われる。彼は「12時に殺人が起きる。その犯人もこのテーブルにいる。真犯人を指摘した人に税抜きで100万ドルと、その出版権と映画化権をさしあげよう」と挑戦して姿を消す。

調理室で執事の死体が発見され、2度目に見に行くと死体がきえ衣服だけが残っている。

イエッタがロボットであることがわかる。

右往左往しているうちに12時になる。ドアがあき、背中をナイフで刺されたトウェインの死体が出現。

居間に移って議論した結果、5人はいずれもトウェイン殺しの動機を持っていることがわかる。

ディック・チャールズトンは破産してトウェインに借金がある。

サムはゲイ・バーにいた時に写真をとられ、彼の助手兼愛人のテス・スケフィントン(アイリーン・ブレナン)は姪に当る。

ワンは養子で19歳の時に東洋人であることを知ると放逐した。

マーブルズは婚約していたが、結婚前に彼がいやらしい事を求めたので破談になり、

ペリエは愛犬をトウェインに殺された。

翌朝、死んだ筈のトウェインが書斎に現われる。

ワンが彼に「君は本当はベンソンマムの変装だ」ときめつける。

マーブルズは彼を弁護士のアーヴィング・ゴールドマン、チャールズトンは会計士のマーヴィン・メッツナー、ペリエはライオネルの妹リタ・トウェイン、サムは自分は俳優のJ・J・リーミスで彼が本物のダイヤモンドだと言う。

トウェインは、「自分は本当にライオネル・トウェインだ。君たちは、小説で多くの読者を悩ましてきたが、その推理もたいしたことはない」と嘲笑する。

探偵達はたち去る。その後にトウェインがマスクを取ると、何と、そこにあらわれたのは聾唖者の筈の料理女イエッタの顔だった。邸中に彼女の笑い声がひびきわたった。...

評価1:
喜劇ということで冒頭からくだらなさが全開、しかしただくだらなくてさっぱり笑えない。唯一可笑しかったのは「まだ温かい食事も冷たい死体も用意してもらっていない」という科白くらい。当時の人々はこれを観て笑ったのかな?

物語は支離滅裂でもう無茶苦茶、何がしたいのか全然わからない。当時の人々はこれを観て納得したのかな? さっぱり面白くなかった。

評価2:
この映画の面白さの魅力は大きく分けて2つある。

先ず、よく練られた見事な脚本! 二転三転するストーリー、随所に謎解きの要素を散りばめながらなおかつそこに笑いを挟む巧みさ、あっと驚く結末等、流石ブロードウェイ喜劇の名脚本家、ニール・サイモン書き下ろしなだけはある。

そしてそれぞれの探偵を演じる役者の素晴らしさ! D・ニーヴンをはじめ、P・セラーズ、P・フォーク、M・スミス、A・ギネスと、個性的な彼ら各々の妙演が映画の面白さを何倍にも膨らませている。まさに見どころ満載といった、コメディ映画の快作。

疑問:

何故盲目の執事や、聾唖者の料理人を雇ったのか?

ただ驚かすためにそう演じさせたのか?

料理人は、トウェインにどんな恨みをもっていたのか?

セリフの何処かに言わせていたのか?

名探偵再登場:1978

ハンフリー・ボガート風を装った私立探偵が6人の美女を相手に大難事件に体当りする、従来の私立探偵映画のパロディ版。

製作はレイ・スターク、監督はロバート・ムーア、脚本はニール・サイモンで、前作「名探偵登場」のトリオ。

1940年代、第二次世界大戦のさなか。サンフランシスコの一隅に小さなオフィスをかまえる私立探偵のルー・ペキンポー(ピーター・フォーク)は、儲ってこそいないが、珍事件や難事件に追われ、多忙な毎日を送っていた。

そんな中、彼の相棒が何者かに殺され、その未亡人ジョージア(マーシャ・メイソン)の証言で、なんとペキンポーが容疑者になってしまう。


彼は早速真犯人探しにのりだした。この難事件には『12個のダイヤモンドの卵』と呼ばれる高価な美術品がからんでいることをつきとめる。それは、マルセル(ジェームズ・ココ)が経営しているカフェで、常連の小男のペペ(ドム・ドルイス)がその美術品を捜し出して欲しいと頼んできたからだった。

そのカフェで、ペキンポーは、昔、彼が恋した美しいマルレーヌ(ルイーズ・フレッチャー)に会い、彼女の夫ポール(フェルナンド・ラマス)の国外逃亡の協力を依頼される。警察に追われる身のペキンポーだったが、マルレーヌのためにナチのシュリッセル大佐(ニコル・ウィリアムソン)や歌姫のベティ(アイリーン・ブレナン)の裏をかいてポール逃亡に協力する。

モンテネグロ夫人(マデリーン・カーン)や大富豪のジャスパー(ジョン・ハウズマン)、その手下、ボーイ(ポール・ウィリアムス)、そして老人の美術収集家エズラ(シド・シーザー)や彼の若妻の美人ジョゼベル(アン=マーグレット)らの、複雑な陰謀にかかりペキンポーも窮地に追いこまれる。

その間にも刑事たち(エイブ・ヴィゴーダ)の追求の手はのびてくる。まわりはみんな怪しい人間ばかりだが証拠はない。忠実な女秘書ベス(ストッカード・チャニング)も信用できない。事件は意外な方向へと展開され、さまざまな仕掛けが用意される。

しかし、ペキンポーは、それらを突破し、ついに真犯人をつきとめるのだった。...

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