2025年12月28日日曜日

江崎玲於奈100歳の年末提言

昭和100年の年末ということで、多くの著名人が、百年の感想を新聞紙上で意見をのべているが、70~80代の人が多い。
私と同じ年齢の100歳でまだ元気な江崎玲於奈さんの提言が、もっとも共感を覚えるものであった。


江崎玲於奈の提言記事全文

 
科学の進歩について、「万有引力」を提唱したニュートンには、「私が他の誰よりも遠くをみることが出来るを見ることが出来るととすれば、背の高い巨人の肩の上に立って視野を延ばしているからだ」という言葉があります。科学的発見のプロセスは常に先達の積み重ねの上に論理的にきちんと融合した形で、革新的な知識が加わっていくもの。言わば科学には、仕組みそのものに、「進歩」が内在している。芸術や音楽も、革新的変貌を遂げることことはありますが、必ずしも進歩ではないでしょう。



AIが創造力を持ったとき・・・誰にも予測できない。

江崎玲於奈(Leo Esaki)は、日本の科學史にその名を刻む偉大な物理學者であり、半導體研究における先駆者です。1925年に大阪で生まれた彼は、東京大學を卒業後、當時まだ小さなベンチャー企業だった東京通信工業(現在のソニー)に入社しました。そこで彼は、わずか32歳という若さで、量子力學における「トンネル効果」を半導體の中で実証するという畫期的な発見を成し遂げます。
この発見は「エサキダイオード」の誕生へと繋がり、1973年に彼にノーベル物理學賞をもたらしました。當時のエピソードとして有名なのが、彼が研究を行っていたのはわずか二畳半ほどの狹い実験室だったということです。恵まれた環境ではなくとも、真理を追究する情熱があれば世界を変えられることを彼は証明しました。
その後、江崎氏はさらなる探究心を胸にアメリカへと渡り、IBMワトソン研究所を拠點に研究を続けました。そこで提唱した「半導體超格子」という理論は、自然界には存在しない新しい結晶構造を人工的に作り出すもので、今日のスマートフォンや光通信を支えるレーザー技術、超高速コンピュータの基盤となっています。
帰國後は筑波大學や橫浜薬科大學の學長を歴任し、教育者としても盡力しました。彼は日本の教育における畫一的なシステムを危懼し、「創造性を養うには、あえて空気を読まず、自分の直感を信じることが大切だ」と説き続けてきました。
99歳(2026年現在)を迎えてもなお、そのフロンティア精神は衰えることを知りません。彼は人生において「過去の行きがかりに縛られない」「大家の先生を尊敬しても、のめり込まない」といった獨自の哲學を掲げています。常に初々しい感性を保ち、未知の世界へ挑み続けるその姿は、科學の枠を超えて、変化の激しい時代を生きる私たちに強い刺激と勇気を與えてくれます。

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