短夜や乳ぜり泣く児の須可捨焉乎 竹下しづの女 『颯』
須可捨焉乎 : 須く捨つる可き焉乎(すべからくすつるべきか)(反語)
【読み】 みじかよや ちぜりなくこを すてちまおか
【意味】
短い夏の夜が明ける。乳をせがんで泣く我が子を、捨ててしまおうか (いやそんなことはできない)…
竹下しずの代表作である。
この、乳ぜり泣く児は、九州大学名誉教授の竹下健次郎先生であった。
転倒して脳に障害は発生していたため、泣きじゃくっていたそうだ。
翌日、目がはれ上がり、そのことがわかり、しづのママは必至で看病し、無事回復された児は、成長して九大工学部で有名な教授となられた。
私は九産大時代にお世話になり、晩年に自費出版された自叙伝を2冊もいただいた。
そのお孫さん(しづの女のひ孫)が、いまテレビで活躍されている竹下隆一郎さんである。
竹下しづの女、3つの碑 : 田舎散人のつぶやき (exblog.jp)