2018年9月26日水曜日

「不惜身命」と「事実無根」





平成の大横綱貴乃花
伯父は横綱若乃花、父は大関貴ノ花。兄若花田とともに角界に入門した貴花田兄弟


平成7年一月場所を優勝で飾った大関貴乃花は横綱に推挙されました時、相撲協会からの使者を迎え、横綱に推挙されたことへの返礼口上に「不惜身命(ふしゃくしんみょう)」という一言がありました。

さて、「不惜身命」は『法華経』勧持品第十三に、


読誦此経 持説書写 種種供養
不惜身命 爾時衆中 五百阿羅漢
得受記者 白佛言世尊 我等亦自誓願 於異国土 廣説此経
(この経を読誦し、持ち、説き、書写して、種種に供養し、身命をも惜しまざるべし。
〈後略〉坂本幸男訳―岩波文庫)


また、『法華経』如来寿量品第十六にも、


一心欲見佛 不自惜身命
時我及衆僧 倶出霊鷲山
(一心に仏を見たてまつらんと欲して、自ら身命を惜しまざれば、時にわれ及び衆僧は、
倶に霊鷲山に出ずるなり。)


とあります。

引退後、相撲協会の改革にも、この「不惜身命」の精神で取り組んでいたのですが、日馬富士の事件以来、旧態以前たる組織の壁にはねかえされて、引退声明となりました。

いま相撲界では「事実無根」の言葉がとびかっています。事実を隠す陰湿な体質があるようです。
「事実有根」か否か外部の人間には不明ですが、喧嘩両成敗で組織の立て直しをする必要があります。

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