2018年9月28日金曜日

丁子家紋〔改訂)

わが家の家紋は違い丁子である。

丁子紋: 違い丁子 (抱き丁子)


 丁子はときに丁字と書くこともある。そこで「十字の間違いかな?」とか「沈丁花のこと?」と勘違いするひとも ある。
また紋章を見て「大根の一種?」と間違うひともあり、わたしも若い頃はそう思っていた。
大根の家紋を使っていた旗本もいたようだ。

丁子はインドネシアのモルッカ諸島が原産の輸入植物で、 日本でも古くから知られていたようで、五~六世紀頃には日本に輸入され。
正倉院御物の中にも当時輸入された丁子が現在も保管されている。中世の貴族はこの花のつぼみを干して香料に していたようだ。また薬としても役立てていたともいう。
時代が下ると、丁子から採れる油が日本刀のさび止めに効果があると重宝され、他にも生薬や漢方として用いられるようになる。
 また名前の由来は、丁子の花のつぼみが釘に似た形をしているので、中国で釘を意味する「丁字」の文字が当てられ、日本では「丁子」という字になった。
中国では磁器の壺や絵皿にたくさん見られる吉祥文様の雑宝のひとつであり、日本でも非常に縁起がよいとされる宝尽文様のひとつに数えられている。そのため瑞祥的意義をもって家紋に用いられるようになった。

英語ではClove(クローブ)というようだ。




【主な使用家】

 丁子は高貴薬で香料であることから、七宝のひとつになっている。これにちなみ紋章としても人気が出たようだ。
 三条西、押小路、甲藤、新庄、松村、竹尾の藤原氏流の諸氏。源氏系では真崎、志村、幡野、石崎の諸氏。ほか菅原氏系の 来栖氏、滋野氏系の望月氏などが使用している。
 藤野姓だから藤原氏流れということかな。武士にはあまり使われていないようだ。
家紋の分布としては九州がほとんどだが、遠く離れた富山県でも使用が多くみられる。
もしかすると、富山の名産である薬のひとつとして、丁子が扱われていたのかもしれない。

デザインとしては、そのほか多くの種類がある。



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