2021年6月10日木曜日

漏刻(水時計)

 今日は何の日、時の記念日。

『日本書紀』には、今から約1300年前の飛鳥時代、天智天皇10年4月15日(671)に漏刻(水時計)を置き、時を知らせる鐘鼓が鳴らされたとの記述がある(漏刻とは、壺や水槽から流れ出る水の量を用いて時の経過を測る装置)。

これを西暦にあてはめると671年6月10日となることから、この日が時の記念日に制定された。

これは1920年大正9年)5月16日から「時」展覧会が東京教育博物館で開催されれた時、

主催者間で提案されたのが「時の記念日」である。

 (実は『日本書紀』に漏刻が登場するのは、これが初めてではない。

斉明天皇6年5月(660年)、日本で初めて漏刻が造られたときの記述がある。日付は不明である。この時は白村江の戦がはじまる戦乱時期で、11年後に改めて明日香に漏刻をつくり、られた。)

ここには「皇太子(中大兄皇子、後の天智天皇)がはじめて漏刻を造り、民に時を知らせた」とある。

ここに記された、日本で最初に造られた漏刻の跡が、明日香村にある水落遺跡である。

戦後明日香の遺跡発掘調査で、坪井教授らにより漏刻跡が発見された。





 飛鳥資料館では、漏刻の原寸大復元模型や出土品、詳しい解説などを展示している。

そのためか、最近では、文部省も時の記念日6月10日をあまり強調しなくなった。



時計は、時代とともに、振り子時計、水晶時計と進んできたが、いまでは電波時計の時代だ。
原子や分子が、決まった周波数の電磁波を吸収・放射する性質もしくはその周波数を持ち、水晶振動子等よりも高精度な周波数標準となり、時間を高精度で測定できる原子時計の時代となった。
その原子時計を元に作られた正確な時刻情報は標準電波として放送されており、その電波を受信してクォーツ時計の誤差を修正しているのが電波時計である。
日本では「JJY」と呼ばれる標準電波の送信局があり、福島県大鷹鳥谷山のおおたかどや山標準電波送信所(送信周波数40kHz)と、福岡県と佐賀県との県境に位置する羽金山のはがね山標準電波送信所(送信周波数60kHz)の2つの送信所で、ほぼ日本全国をカバーしている。
最近のストロンチウム光格子時計、イッテルビウム光格子時計などの研究では、さらに計測精度が向上して、「相対性原理」により地上の高度による時間差まで計測できるようだ。高層ビルでは地下と屋上の時間差が測れる時代が来るかもしれない。
電波時計が棚から落ちて、電池がとびだしたので、調整しなおしながら、こんな事を考えた。

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