2021年4月7日水曜日

考古学者 白鳥庫吉の「偶数と神々」

 考古学者白鳥庫吉(東大)は、邪馬台国論争で、行程の総計12000里に着目し、九州説主張したことで有名である。

                白鳥庫吉

 白鳥の説。

魏志倭人伝に書かれた距離は、帯方郡から邪馬台国までの総計が、12000里であり、帯方郡から、伊都国、奴国、不弥国までの総計が、10700里であるから、不弥国から邪馬台国までの残りは、1300里の計算になる。この距離なら九州の内部しか考えられないという、きわめて論理的な説である。多くの学者もこの説に共感している。

白鳥は、数字に関心の強い学者で、日本語の基本数詞の精密な分析を行い、日本人が、近隣のアジア諸国と異なった数詞の構築を数千年の長い期間にわたって作り上げたことを、記紀の神代史を解析して結論付けている。

 注:日本語の系統---特に数詞について。(東洋思想:岩波講座)で発表。

要約: 日本の数詞は加倍法が基本になっている。

片手で、ひと、ふた。

み以上では両手で み・む、よ・や、いつ・とう。とすすんだ。

だから、10までの間に、7,9を数えることができなかった。

故に、古代日本人は、偶数を尊び、奇数をきらった。

アリア種、シェム種の民族、シナ人、蒙古人、トルコ人、などは奇数を尊び、偶数を卑しめたのと逆の現象で、特に8は神聖数詞である。

特に古事記巻頭の神々の系譜についても、詳しく分析しおり、天之御中神のあとに、八 組の神々が並べられえていることを解析している。

七・五‣三が導入されたのは、中国の影響を受けた、後の時代のことである。

また、近代物理学で、宇宙の電子・陽子の数も加倍法の法則があるらしいという石原純教授の説も、別の項目で紹介されている。



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