2021年4月30日金曜日

中国の科学技術

 中国の科学技術力が最近急成長している。1990年にはじめて中国に行った時代とは隔世の感がある。

『科学技術大国中国』は、文科省要職や内閣府政策統括官を経て、JAXA副理事長も務めた林幸秀氏による分析。
中国の優れている点と、現状の課題とを、公平な視点で評価した良書。
1.スーパーコンピュータ
2.海洋科学技術
3.宇宙開発
4.原子力開発
5.iPS細胞
6.遺伝子解析会社
7.モバイク、電気自動車
8.スマホアプリ
これらの分野での現状説明と、潜在的科学技術力を計る指標として、論文の被引用件数、特許出願件数の増加 中国人13億の教育水準、博士号取得者数、海外留学者数の増加などを示している。
最近特にIT関連市場に人材が集中し、新しいスマホアプリが強力に普及している。
その理由は大きく分けて2つあります。
 1つは、元手となる資本がなくても誰でも簡単に起業できる。
 2つは、市場規模が大きく、当たればでかい一攫千金の市場だから。
 こうした優秀な人材が集まるIT市場を、中国政府は資金調達や税制面などで積極的に支援しています。
政治家や官僚に理系出身者が多いということも影響している。
公共料金の決済などにおいても、政府は決裁アプリ運営業者と柔軟に連携します。実験的な新規アプリサービスに対しても細かく規制したりせず、寛容な姿勢を見せている。
中国では新しいアプリサービスが登場すると、若者だけでなく高齢者もすぐに適応して利用し始める傾向が見られます。
この普及スピードは日本よりも明らかに早く、便利だと認識されると、あっという間に広まるという土壌が、新しいアプリサービスの出現を促す要因になっているとも考えられます。


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